問題

内部統制における職務分掌(職務の分離)に関する記述として、適切なものはどれか。

ア)職務分掌の目的は、業務の効率を最優先することであり、不正防止は副次的な効果にすぎない。

イ)職務分掌とは、一連の業務における実行・承認・記録・照合などの職務を、複数の担当者に分離して割り当てることで、不正や誤謬を発見・抑止しやすくする統制である。

ウ)システム開発とシステム運用を同一の担当者が兼務することは、職務分掌の観点からは特に問題とならない。

エ)職務分掌は小規模な組織では実施不可能であり、代替の統制手段は存在しない。

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正解: イ)

解説:

  • ア)職務分掌の主目的は、一人の担当者が業務の実行から承認・記録まで一貫して行える状態を避け、不正や誤りが起きにくく、また起きても発見しやすい体制を作ることにあります。業務効率が最優先という記述は誤りです。
  • イ)職務分掌は、取引の実行・承認・記録・資産の管理・照合といった職務を複数の担当者に分離することで、一人の担当者による不正や誤謬(ミス)を防止・早期発見しやすくする内部統制の基本的な仕組みです。正解です。
  • ウ)システム開発担当者が本番環境の運用も兼務すると、不正なプログラム変更を自ら実施し、かつ自ら承認・隠蔽できる状態になりかねず、職務分掌の観点から問題となる典型例です。「特に問題とならない」は誤りです。
  • エ)小規模組織で完全な職務分掌が難しい場合でも、上長による承認の強化や定期的な第三者レビューなど、代替統制(補完的コントロール)を導入することが一般的であり、「代替の統制手段は存在しない」は誤りです。

重要キーワード

用語説明
職務分掌実行・承認・記録等の職務を複数人に分離する統制
内部統制業務の適正・効率的な遂行を確保する仕組み
代替統制職務分掌が困難な場合に不正リスクを補う統制手段
不正のトライアングル動機・機会・正当化の3要素で不正発生を説明する理論